いざという時では遅い?知っておきたい避難場所、避難所の種類

2015年3月9日

避難所記号

避難所の種別

避難所と言えば小学校や中学校の校舎体育館公民館市民センター防災センターなどを
思い浮かべられるかと思います。
しかし、その種類によって機能が異なる事をご存知でしょうか?

大地震にともなって発生する火災などから避難を想定し
大規模緑地や公園といった広い面積を保持するオープンスペースが選ばれています。
また救護隊が活動拠点に使用するという事もあり、一時的な避難場所として位置づけられています。
行政上、広域避難場所は
「地震などによる火災が延焼拡大して地域全体が危険になったときに避難する場所」
と定義付けられています。
他の避難場所が危険になった際、広域避難場所に避難してくる用途であり
その大きさは、火災の輻射熱に身がさらされるのを防ぐため10ヘクタール以上が必要だとされています。
そのため、大規模な広場(オープンスペース)を持つ、大規模公園や団地・大学などが指定されているのです。
あくまで一時的な避難であり後述する避難所(収容避難場所とも言う)のように避難生活をする場所ではありません。

指定避難所

市立の小学校,中学校,高等学校など避難のための広場と建物の双方を備えた施設が指定されています。
避難所は避難生活をするための場所であり、
一時的に災害から身を守るために集合する、または帰宅困難者が交通機関が回復するまで待機する位置づけの
避難場所(一時避難場所・広域避難場所)とは異なります。
避難所となる施設は、主に地域防災計画により指定されており、防災倉庫が設置されています。
収容避難場所は、風雨をしのげるよう屋内施設が指定されており、
また一定期間の生活に必要な物資を備蓄しています。
とは言え、大人数で生活するため、プライバシーやスペースの確保、
物資の分配、コミュニティーに参加していないと溶け込むのが難しい、などの心配を解決するため
上手に運営を行わなければなりません。
しかし、阪神・淡路大震災以降は、社会福祉協議会や民生委員、災害ボランティアの経験を積んだ組織の活動などにより、このような心配は杞憂であるとされています。
また阪神・淡路大震災においては、避難所として指定されていない
公共施設(警察署・市区役所・病院など)に被災者が避難してしまうケースもあったそうです。
これらの施設は、防災・救助活動を行うため、
被災者の受け入れによってその活動が鈍ってしまうという事が懸念されるのですが
やはり被災者であるため、指定避難所への移動要請はをする事は難しかったそうです。

地域避難場所

指定避難所の確保がむずかしい地域における一時的な避難広場を指し、
比較的大きい公園、広場、小学校、寺社などが指定されています。
「一時避難場所」ともいいます。 行政上、一時避難場所は「延焼火災などから一時的に身を守るために避難する場所」と定義付けられています。
地域住民が集合・待機するための場所としての位置づけもあります。
上記の目的から、小規模な広場(オープンスペース)が主に指定されています。
この一時避難場所が危険になった際は、先述した規模が大きな「広域避難場所」へ、避難することになります。
よって、「広域避難場所」と同様に避難所(収容避難場所とも言う)のように避難生活を行う場ではありません。
なお一時避難場所・広域避難場所ともに、
災害の種類(火災・風水害・津波・高潮など)によって避難場所が異なる場合があります。
(河川敷などは火災の際は指定されるが台風の時は指定されないなど)

一時避難場所は、地域の比較的小さな公園等が指定されていることが多いため
トイレ・防災倉庫等等が設置されていない場所もあります。
ただし、災害時の緊急的な集合・避難場所としての機能を持たせるべく、
自治体側では設置するよう努めている。
一時避難場所には、課題がある。
もともとあった公園を一時避難場所に指定したため、そもそも避難に適した場所でない場合がある。
災害の内容に応じて指定場所を変えると先述しましたが、全ての災害から身を守れる立地では無い場合があります。
また公園の設置計画は地域防災計画に則ってない事も多くあります。
また東京の場合、時代の移り変わりにより関東大震災の復興時に避難のために造られた復興小学校や復興公園を閉鎖したり、
空き地があるとして、後に図書館やスポーツ施設が作られたり、
周辺に後から建物が建ったため、大火の際などには周辺に火が回り逆に避難が難しくなる可能性さえあり
避難場所としての機能を喪失してしまっている場合もあります。

その他の立地の問題として
もちろん公園は各地区に均等にあるわけでは無い事。
また周辺の道路事情によっては、災害時にたどり着くのが困難な場合もあります。
一定の問題はありますが、
こうした施設が有用であることに変わりは無い為、災害前に確認しておくことが必要です。

福祉避難所

高齢者や障害者など、指定避難所での生活が困難な災害時要援護者を受け入れるために開設される二次的避難所です。
福祉施設,宿泊施設などが開放され必要に応じて、ホームヘルパーが派遣されたり訪問看護も行われます。
指定避難所から移動する事からか東京都では「二次避難所」、横浜市では「特別避難所」とも呼ばれています。

まとめ

普段、学校や公園などで目にする「避難所」「避難場所」
その違いを知らなかった人がほとんどだったのでは無いでしょうか。
かく言うこれを書いているスタッフも知らなかったのですが。
その違いを理解し、ご家族の方と近隣の「避難所」「避難場所」の場所
いずれに集合するのかを話し合っておく事が大事なのかも知れませんね。

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